仙台初売りとは
藩政時代から続く「仙台初売り」を大々的に全国に向けて情報発信し、多くのお客様にお越し頂けるように取り組んでいます。
年の初めの伝統行事「仙台初売り」
世界各地には、その国ごとに特徴あるセールがあります。 たとえばアメリカなら11月の感謝祭(サンクスギビングデー)の翌日からスタートする大規模なセール、オーストラリアなら12月のクリスマス翌日から始まるセール、といった具合です。 そして、日本で行われるセールで忘れてはならないのが正月恒例の「初売り」です。
日本では昔から、1月2日は「事始め(ことはじめ)」といって、新年を迎えて初めての「事」を行うのに縁起の良い日とされてきました。 たとえば、書を習っている人なら「書き初め」を、楽器を習っている人なら「弾き初め」を、また商店では初めて商品を出荷する「初荷」、初めて商品を売る「初売り」などを行います。 毎年1月2日に行われる「仙台初売り」もまた、そうした考え方から生まれた行事のひとつです。
「仙台初売り」の歴史は古く、藩政時代の文化文政年間(1804〜1824年)に発行された『仙台年中行事』という書物に「2日朝早くから店の格子戸を叩いて初売り初買い……」という記述が残っており、 当時すでに仙台藩のみならず広く藩外にも知られた行事であったことがうかがえます。
このように古くから続くお正月の伝統行事である「仙台初売り」は、200年以上の時を経た今もなお、 仙台市内の商店街および百貨店・専門店などに受け継がれ、国内最大規模を誇る「初売り」として国内外からも注目を集める存在となっています。
その日、市中心部の商店街は、早朝から繰り出した大勢の買い物客と彼らをもてなす和太鼓の演奏や獅子舞い、甘酒のお振る舞いなどで、お祭りのような賑わいを見せます。 買い物客の目当ては、価格以上の商品が詰まった福袋や福箱(茶箱)、割増し商品券など。 こうした景品類は本来、国の取り決めで商品価格の10%までと上限が決められていたのですが、 仙台では20%まで景品の提供が認められていました(現行法では20%)。 これは、仙台初売りが「歴史ある商習慣に基づくもの」という理由で、 公正取引委員会から、正月三が日、旧仙台藩地域に限り認められた特例です。 このように仙台初売りは国が認めるほど特別な行事となっています